2017年5月11日木曜日

ロードバイク OHS-RT2 手組み手順

手組みホイールはコツが必要なのでそのあたりをうまく伝えられたら幸いである。
なお、今回スポーク長計算は割愛とする。

1.スポークを用意
 これはフロント24本である。サピムのストレートスポークだ。



2.ネジ山を脱脂
 パーツクリーナ等で油分を落とす。



3.スポークプレップを用意
 これが必要かどうかは各々判断頂きたい。
 個人的にはフロントはテンションが揃うので不要かなと思う。

 

4.フロント用のスポークプレップを付ける
 量が非常に難しい。乾いたときにネジ山が見えるくらいが適切らしい。
 スポークのペアを組み、ネジ山の1/3くらいプレップにつける。

 スポークを1本180度逆にし、ネジ山を上下に回しつつ擦り付けながら伸ばしていく。
 ネジ山の70%くらいがムラなく塗れればOKである。

 若干塗りすぎというくらいが良いと思う。乾くと若干痩せるので注意する。
 ただし、たくさん塗るのはNGである。ニップルが回らなくなる。

 

5.スポークプレップを乾燥させる
 10分くらいで乾いてくる。



6.リア用のスポークプレップを付ける
 リアは反フリーのテンションが低いのでスポークプレップを付けた方が良い。
 また、変則組みなのでダンボール等で下図を作っておくと効率的である。
 リアは24本である。サピムのバデッドスポークだ。



7.リムホールのバリを取る
 バリ取りを使いリムホールのバリを取るがTNIのリムはバリ少ない。



8.ハブにスポークを通す
 スポークは1本ずつ通したいが、張りと緩みや場所を間違えたりするので、
 最初に全てハブへ通した方が良い。
 最初はいろいろと辛いけどすぐに慣れます。



9.フロントを組む
 バルブホールとロゴを合わせるのはお約束かな。
 また、スポークを通すのは右側からとする。
 右左に1本ずつ交互にやれば間違えないと思う。



 道具は不要なマイナスドライバーをグラインダー等で先端を削り、ニップルの
 マイナス面に合うようにする。
 ニップルは爪楊枝の先端を若干カットしたものを使うと便利である。 



 とりあえずニップルが落ちないくらい全部を締めたら、バルブホールに適当な重りを
 付ける。これしないとホイールバランスによりバルブホールが上になろうとするので
 作業効率が落ちてしまう。
 重りはパンクして使わないチューブのバルブ、適当な長さのボルト等が便利である。




 ニップルの締め込みはまずネジ山が少し見えるくらいで全体を締め込み、
 次はネジ山が隠れるくらいに締め込む。



10.フロントの振れ調整
 私はざっくり横振れ→センター確認→ざっくり縦振れ→増し締めの繰り返しが
 良いと思う。
 ただ、フロントは左右のスポーク長が同じなのでセンターはシビアではない。
 
 そして、テンションが低い間はニップルを締める方向の調整で良いと思う。
 なお、テンションが高い場合は締めると緩めるの両方向を使った方が良い。
 
 組み始めは締め付けが緩いところが狂っているので、細かいところは考えずに
 狂っている場所に一番近いニップルを締め込んでいく。

 調整時の締め回転は緩い時が1/4回転、テンションキツくなるにつれて回転数を小さく
 すると良いだろう。

11.増し締め
 増し締めは厄介である。無理やり締め込むとスポークがねじれるからだ。
 このねじれは運用時の初期振れで現れるため、できるだけそうならないように締める。

 注油が効果的なのである。スポークプレップの場合はリム穴とニップル頭の部分に
 注油する。油は速乾性のクレ556が良いだろう。

 増し締めは1/2回転ずつ締めるのが良いだろう。



増し締めはスポークを掴みながら行わないとねじれるのでこんな道具を使う。
トルクと傷つかないからプライヤーレンチがオススメだと思う。
傷が気にならないのであればペンチでも良いだろう。



増し締めするたびにホイールに体重をかける。パキパキ、ポキポキ音がする。
横方向と上方向から細かく体重をかけていく。
下図の場合は下にヨガマットを敷いてある。



12.リアホイールを組む
 リアはタンジェント組みなので、ラジアル組みより難しい。
 バルブホールとロゴを合わせるのはお約束かな。
 また、スポークを通すのは右側からとし、左側は右側から見て位相を遅らせて
 組むこと。位相を先にした場合、JIS組みになるはずである。

 リアホイールはフロントのように1本ずつ組むのではなく1ペアで組んだ方が良い。
 ハブのスポークホール位置、スポークの綾、リムホールの位置という三位一体を考え
 つつ組むので、簡単ではないと思う。



 右1ペア左1ペアを仮組みしたら確認というようにする。一気に仮組みしない。



13.振れ取り
 オチョコ組みなのでセンター調整がキモになる。テンションが高い時のセンター調整は
 面倒なので、テンションが弱いときに合わせてしまう。
 ざっくり横振れ→きっちりセンター調整→ざっくり縦振れ→増し締めの繰り返しが
 良いと思う。

 増し締めはフリー側のスポークがねじれないように注意する。
 注油箇所は下記2箇所。

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