この本はアマゾンでは散々言われているが、それほどひどい内容だと思わない。
というのもスポークホイールに関する技術情報はとにかく少ないからだ。
ロードバイクだけではない、バイクもスポークホイールの情報がほとんどない。
しかし、2回目を読んだら?ではないかと思い始めた。
なにか素材に対しての評価をしているように感じられて、完成車で正しく機能する
ホイールとしての評価なのかと言うのが、今ひとつ明確ではないと感じた。
ホイールはリムの剛性が高い方が良いと言う。
リムハイトが高いものや安いリム等は物理的に重いから、剛性も高くて良いとのこと
だけど、動物は体重が重いものが最強だという考えに似ていると思った。
実際は軽量な人間が支配しているわけだし、完成したホイールとして考えた場合に
なにか違うのではないかと思った。
あと結線は不要というのも納得がいかない。
例えば小径車のホイールはスポーク長が短く結線は全く不要だが、リムハイトが
低い700cのホイールには必要だと思う。
剛性が高いのとテンションが強いことが速さにつながらないというのは納得できる。
ただ、剛性が低いことによるたわみでペダルを踏めないとしたら、結線は必要なの
ではと思う。
スポーク以外にワイヤーでもホイールは成立すると言うが、その完成形のホイールは
使い物になるかどうかは別問題である。
あとタンジェントは横剛性が少し落ちるからフロントホイールに採用してないとの
ことだが、今後ロードはディスク仕様になり全部タンジェントのフロントホイール
になるはずなので、言わんとしていることがわからない。
私は、自転車はスポークホイールから逃れられないと考えてる。
理由はコスト・重量増・メンテナンス性により、サスペンションをつけられないから。
スポークは良くできている。弱く張ればサスペンション的な役割をするし、
強く張れば駆動剛性が向上する。
こんな都合が良い働きをするのはエアサスしかないと思う。
空気圧で柔らかくも硬くもできるので理想的だと思う。
ただ、現時点においては軽量化がコストの点で難しいだろう。